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【魚の棚商店街】70年以上続く「岡本海産物店」女将・西村さんを訪ねて

魚の棚商店街

高知県高知市の中心部にほど近い、魚の棚商店街。

こうした昔ながらの商店街には、たいてい「語り部」のような人がいるもの。
そんな存在のお店が、この町にあります。

家族経営で70年以上続く「岡本海産物店」
漁場として名をはせる高知県から、鮮魚や干物・乾物を配送して全国へ送り出しています。

魚の棚商店街

そんなお店をしている人なら、この商店街のことを何か知っているかも…。
そんな期待を寄せながら、岡本海産物店の店主・西村和子さんにお話を伺いました。

魚の棚商店街

西村:「昔は自分で”魚の棚ニュース”を書いて発行していたから、こう書いてくれるのは嬉しいわね。」

西村さんはかつて、自らの手で新聞を発行。
1985年から2007年に渡って、約30年に渡って書いておりました。

85年10月にB4判の新聞「魚の棚ニュース」を発行した。図書館へ何度も通って魚の棚の歴史などを調べたり、商店街の話題を取材したりした。2カ月に1度発行し、第90号まで続いている。「取り上げる話題も少なくなってきて大変ですが、『いつも楽しみにしちゅうよ』とのお客さんの声に励まされ、頑張っています」

 魚の棚商店街 高知市  朝日新聞 2005年5月16日 より

 

商店街のことを見続け、書き綴ってきた”生き字引”のような存在。
この岡本海産物店も、南海地震が起こった1949年に開いてから70年近くにわたって続いてきました。
ご先祖様の岡本 傳三郎(おかもと でんざぶろう)の名前から、この店名がつきました。

魚の棚商店街

ふだんは配送の受付をしながらお店を営む西村さん。お客様とのお話に話がはずみます。

現存する「日差よけテント」は、なぜ設置したのだろうか?

魚の棚商店街

日除けのテント。日差しの強い晴れの日に見上げると、一面に張られる光景を目にできます。

_ どうして、この商店街だけに日除けのテントを張ることができたのでしょうか?

西村  もともと、町を覆い隠すテントは、”したらイカン”と言うことになっていたの。どうして昔はダメだったかはわからん。防災のためなのか当時の法律なのか…。
だけんど、商店街が開かれた江戸時代。当時は魚屋さんだらけでしょ?
日差しに当たったら、売りゆうお魚がみんな傷んでしまうろ。それで、おそらく町の人がお殿様に進言して、お殿様が”それなら許そうか”と認めてもらったんだと思うのよ。」

高知市内には「魚の棚」が3つあった…?

_  「魚の棚」は高知県内ではここだけですか? ちなみに「魚の棚」と調べると兵庫県・明石の方が有名だそうですが…。

西村:「実は高知市には三つ「魚の棚」と名前のついた町があったんよ。一つは「潮江」 もう一つは「上町5丁目」にあったんだけども、明治に差し掛かる頃には火事や老朽化で取り壊されて行ってしまったんよ。
そうして、大正・昭和と経て野菜や果物も売るようになって、今ではお惣菜・居酒屋もあるわよね。時代が進んで魚だけでない、いろんなお店が入るようになったね。30年も前には、人と人の間に割って入らないと進めないような道だったのにねぇ。

_ ここは”最後の砦”というわけですね。

西村 :「そうね、今は自分で新聞を書くことはなくなってしまったけど、もっと沢山の人々に訪れてほしいと思っちょります。どうぞ高知を一緒に盛り上げてね!よろしくお願いしますね!」

岡本海産物店

魚の棚商店街
高知市はりまや町1-9-3
お問い合わせ:088-882-5371
営業時間:9:00~19:00
定休日:日曜日