サーファーが集う大方浮鞭ビーチから徒歩10分程の住宅街に佇むパン屋さん「Early Bird(アーリーバード)」。店内には柔らかな日差しが差し込み、黒潮町の暖かな気候と相性抜群な海辺のパン屋さんです。神戸で料理店を営んでいた西澤さんご夫妻がIターンし、2019年5月30日にオープンしました。
開店時刻の11時前、徐々に人が集まり始め、あっという間に行列ができる。これが「Early Bird」の日常。
そんな黒潮町内、県内外の人から愛されて止まない「Early Bird」。人気の秘密と唯一無二のパンの魅力を奥様にお伺いしました。
CONTENTS
黒潮町で行列のできるパン屋さん
趣味のサーフィンで10年近く黒潮町に通いながら、「いつかこの町に住みたい」と神戸で夢見ていたご夫婦。
子どもの小学校卒業を機にタイミングは訪れました。知人から物件を譲ってもらえることも決まり、黒潮町で開業することに。
人々の食卓の中心になるものといえば「お米」か「パン」。そこで日が明るいうちに営業できるパン屋さんの開業を決めます。
なんと、元々パンが好きではなかったご主人。
知人が焼いていたドイツ式のパンと出会い、これまでの考えが一変。食べ応えがあり、甘みがなく、どんな食べ物にも合うドイツパンの味にどんどん惹かれ、本格的にドイツパンの焼き方を習ったそうです。
パン屋さんといえば朝はとっても早起き。英語で「早起きの人」を意味する「Early Bird」と名付け、来たる2019年5月30日に店をオープンしました。開店直後から瞬く間に噂は広がり、お店は大繁盛。
目新しいパン屋さんの登場に町は盛りあがり、想像以上の反響に目が回る日々がご夫婦に訪れたのでした。
開業まで触れたことのなかったInstagramも高校生の娘さんに教わりながら始め、現在ではその投稿を見て県内外から多くの人が集まっています。
DIYで作り上げた
西海岸スタイルの空間
波音が聞こえてきそうな西海岸をイメージした素敵な内装。インテリアや小物にもこだわりが見えます。この素敵な内装に至るまでの道のりにも秘密が。
譲り受けた建物は築年数も経っていたため、改装する必要がありました。なるべく開業コストを抑えたかったこともあり、奥様がデザイン担当、ご主人が作業担当の二人三脚でお店を改装したそうです。今までDIYの経験はなく、全て独学というのには驚きました。
床や天井を剥がすところから全て自分たちで手掛けましたが、電気工事だけは地元の業者さんにお願いしたそうです。店内のテーブルやラックなども全て手作り。なごやかなお店の空気感は、お店作りの一つ一つに思いを込めたご夫婦の愛情が滲み出ているのかもしれません。
お店のインテリアは、変化を好むご主人がよく変えているそうで、来店する度に新鮮な気持ちになります。
天然酵母で焼き上げた
モチモチ食感
お客様からは「初めて食べた食感」「米粉を使っていないのにモチモチしている」と絶賛のお声をいただくそう。
「Early Bird」のパンは、全て厳選した素材を使用し、小麦の良さを最大限活かしたシンプルな材料のみで作り上げられています。卵も使用していません。
繊細な扱いを要する天然酵母を使用しているため、焼き上がりの時間を伝えることが難しく、酵母の状態によって焼ける種類も変わるため当日のお取り置きのみの販売となっています。
オーガニック小麦の食パン
- PLAIN(プレーン) ¥680/ハーフ¥350
- RAISIN(レーズン) ¥1200/ハーフ¥610
- CRAHAM(全粒粉) ¥700/ハーフ¥360
- SESAME(黒ゴマ) ¥700/ハーフ¥360
※全て税込価格
※1本1.5斤。
甘くなく、もっちりとした食感が特徴で和食から洋食までどんな料理とも相性の良い食パンです。
日替わりパン
食パンの生地をアレンジし、その日仕入れた美味しいお野菜や果物をベースに毎日メニューを考案しています。
「運転の間にも食べられるように」という優しさの詰まった食べやすい小ぶりなサイズも。全種類を少しずつ食べるという贅沢な楽しみ方もできます。
各種パンの他、テイクアウトドリンクのメニューもあります。神戸の珈琲店から仕入れたこだわりのコーヒーや天然素材のクラフトコーラ、自家製レモネードなど魅力的な品揃えです。
※食パンのみ当日11時から電話注文(お取り置き)可能です。日替わりパンはお取り置き不可のためお店へ直接お越しください。
パン作りは化学実験
ドイツパンの特徴でもある食欲をそそる深みのある「焼き色」の正体は、「糖」を焼いたことで生まれています。
1%の砂糖から焼き色をつけていますが、湿度や生地の管理、タイミングがばっちり合わないと焦げたり、良い焼き色がつかなかったりと、かなり繊細な作業を要しています。
そんなパン作りに対して奥様は、「毎日化学実験をしているようです(笑)」と楽しそうに話していただきました。
「Early Bird」のパンは、3日間の長時間発酵をして焼き上げています。その間、常に生地の様子を観察し、注がれてきた熱い想いがパンの美味しさに現れています。
パン作りを通して笑顔を届けたい
奥様は「温かい空気、長くて広い砂浜、緑がのびのびと育つこの町が大好き」と話してくださいました。お店に訪れたお客様の様子は老若男女問わず幅広い年齢層で、お客様というより皆さん「古くからの友人」のよう。奥様と日常のできごとを話して嬉しそうにパンを抱えて帰っていきます。
そんな町の人々の日常の楽しみのひとつでありたいと願う「Early Bird」。
「生きることは食べること」。コロナ禍で楽しみが減ってしまった人々にも美味しいパンを届けることで笑顔になってもらいたい。そんな想いがパン作りや営業の工夫、全てにおいて感じられます。
一日中お店のパンを食べていることもあるほど、奥様も大好きな「Early Bird」のパン達。
焼きたてパンの香りに包まれて目覚める朝が幸せだと笑う奥さんの姿を見て、こちらも幸せのお裾分けをしてもらった気持ちになりました。
「この町でできた繋がりを大切にしたい」という思いから、パンを買いに来てくれたお客様へ、“もう一つ楽しみを持って帰ってもらえること’’を探していると話す奥さん。日々進化し続ける「Early Bird」のこれからが楽しみです。
アーリーバードの駐車場について
店舗横に3〜6台分(縦列駐車)の駐車スペースを完備しています。
EarlyBird The BreadStand
高知県幡多郡黒潮町浮鞭2078-3
11:00〜売り切れ次第終了
定休日:日・月
088-031-3918
詳しい営業情報は以下からご確認ください。
Instagram @earlybird_the_bread_stand