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ミタニ建設工業 社長 三谷 剛平|働きやすい職場づくりを。

ミタニ建設工業 社長|三谷 剛平

ミタニ建設工業株式会社の三代目社長 三谷剛平さんを取材させていただきました。2012年に不祥事が発覚。長期の指名停止処分を受け、会社の業績とイメージはガタ落ちしたと言います。剛平社長は、この経営危機をどのように乗り切り、業績をV字回復させたのか? 古い業界の体質を変えるために取り組んだこととは? 今に至るまでの経緯を伺いました。

職場に慣れ親しんでいた幼少期。

ミタニ建設工業 社長|三谷 剛平

私は、幼稚園から高校までは高知学園に通っていました。性格は前向きで、少し生意気なところもあったかと思います(笑)
高校卒業後は、家業で建設会社を経営していたこともあり、農業土木の科目のある東京農業大学へ進学しました。

家業については、父から「継いでほしい」と言われたことはありませんでした。具体的にどんな仕事をしているのか自体知りませんでした。

ミタニ建設工業の仕事は、現場の管理・監督業がメインなので、重機に乗ることはありませんが、幼い頃から重機に対する憧れはありました。
休日には、社屋に連れて行ってもらったりしていて職場に慣れ親しんでいたので、何となく幼稚園・小学校の頃から「建設会社を経営しているんだな」と感じていました。

大学卒業後は、大林組(日本の総合建設会社)に入社して6年間、土木の現場監督として勤めました。
父から「そろそろ帰ってきたら?」と声をかけられたこともあり、28歳のときミタニ建設工業に入社しました。

「建設をやりたい」というより経営に興味を持っていたので、大学時代から経営者の本をよく読んでいました。
仕事を前に進めていくということは、世の中に貢献していくということだと思ったんです。「より良い貢献をするための手段として、経営をしていきたい」と考えていました。

社長就任後、不祥事が発覚。

ミタニ建設工業 社長|三谷 剛平

入社して29歳で常務、2年目の30歳には、代表取締役社長になりました。

当時34歳のとき、公正取引委員会が高知県に入り、不祥事が発覚したのです。
自分の子どもが「将来的に建設業に入りたい」「ミタニ建設に入りたい」となったときに、「そんな体質なら継がせたくない」と強く思ったことが、体質を切り替えるきっかけになりました。

その後、1年7ヶ月間、弊社が指名停止になり、公共事業は取れなくなりました。

技術者の部署から他社に転職する人が出てきました。その流れで他部署からも転職する人が増えてしまいました。公共事業が取れなくなった上、社員からの信頼も落ち、技術者も抜けていくという危機的状況でした…。

このままではダメだと一念発起し、経営方針を変えていきました。現場の社員と顔を突き合わせ、話を重ねることからスタートしていきました。三谷家と三谷家以外のような「三谷家は絶対」という雰囲気が社内にありました。初代(祖父)の時代は、トップダウンの体制。その体制を徐々に変えていったのですが、なかなか大変でした。

太陽光発電をきっかけに。

ミタニ建設工業 社長|三谷 剛平

立て直しのきっかけとなったのは、太陽光発電(メガソーラー)です。
太陽光発電の固定価格買取制度が始まったばかりで、ちょうど何か活用できないかと考えていた遊休地がありました。危機的状況を打破するため、新しい挑戦でしたが自社でスタートすることを決断しました。

建設業をやっているので、基礎一つ取っても、しっかりと設計し施工、パネル設置もキレイに整えました。
県内では先駆けだったこともあり、太陽光発電を建設以降、太陽光発電をやりたい方々が視察で見にきてくだいました。

そのときに、「ミタニさんの太陽光きれいやね」と言ってくださって。見学に来てくださった方々から仕事を発注いただけるようになりました。太陽光発電をどんどん受注して、そのおかげもあって、1年7ヶ月間を乗り切ることができました。

実際に太陽光の事業をしているときも社員は不安だったと思います。企業として反省し、社員からの信頼も勝ち得ていかなければいけない。それに併せて社内環境の改善、賞与や福利厚生の充実に取り組んでいきました。

業界の風潮を変える新しい風。

ミタニ建設工業 社長|三谷 剛平

昔からトンネル工事は、女性が入ることはタブーとされています。山の神様は女神とされているので、坑内ヘ女性を入れると神様が嫉妬し、崩落が起きたりすると言われています。なので、女性が入ることを年配の方は嫌がることもあります。

けれども、今年4月に入社する女性がいるのですが、高知大学で男女差別やジェンダーのことを学んでいて、この業界が遅れているということを知って、「トンネル工事をやってみたい」と言うんです。

去年入社した女性も県立大学で福祉を勉強していて、「畑違いだけれど、現場をやりたい」と言うんです。現場の仕事は、力仕事ではありませんが、新入社員からすると自分の父親くらいの年齢の人に指示して働いてもらわないといけないので、「しっかりコミュニケーション取れるかな?」と心配していたのですが、結構気に入られていました(笑)

最近、未経験でも飛び込んできてくれる人が増え、今までにない風が吹いてきた印象です。

採用に苦戦する業界の中で。

建設業界は、各社採用に苦戦しています。土木建築を学んでるけれど、この業界に来ないというケースも多いのです。

弊社では、企業説明会に入社3年目の女性社員を行かせています。学生の立場になって考えてみると、作業着やスーツを来たオジサンが座っているよりも、窓口が女性の方が来やすい。そういった学生への配慮や工夫もしています。

また「ほっとこうち」の最終ページには毎号、社員紹介を掲載し、若い方々にも認知してもらうために取り組んでいます。採用HPも立ち上げ、発信しています。

積極的に採用と育成、その両輪を回していかないといけないと思っています。将来的に会社を作っていくのは若い力なので、特に力を入れています。

内定後の辞退ゼロのワケ。

ミタニ建設工業 社長|三谷 剛平

内定後、掛け持ちで他社も受けていたりして、辞退されるパターンも多いかと思うのですが、弊社では内定の辞退がありません。

10月には内定式をして、翌月から毎月1回、内定者研修で集まる機会を設けています。

研修を始めたきっかけは、会社に馴染んでもらいという思いが一番にありました。「馴染んでもらうためには、顔を合わす時間が多い方がいい」という考え方からです。

ただ、一日中、机に座ったままの研修は嫌がられると思ったので、うどんやマシュマロタワーを一緒に作ったり、楽しめる研修内容にしています(笑)

研修の期間中に「合わないなと思ったら、フェードアウトしてもらって構わない。それがお互いのためだ」と言う話をするのですが、内定者研修をはじめてから、逆に内定後の辞退がなくなりました。

愛される会社になるために。

ミタニ建設工業 社長|三谷 剛平

今、弊社では毎月社員の誕生日会を開催しています。家族との予定があったり、お酒が好きでない方もいると思うので強制ではありませんが、仕事以外の時間で、一緒に過ごす時間を多く取っています。

社員の誕生月には、10人いたら10人全員に、私がコメントを入れて社内全体に発信しています。奥さんの誕生月には花束やロールケーキを送ったり、お子さんの誕生月には18歳になるまで3,000円分の図書カードを送っています。

というのも、離職を考えるときに家族の意見もあったりするので(笑)
例えば、奥さんから「こんな仕事もあるよ」「今が転職のチャンスじゃないの」という話があると思うので、いつも会社に向いてもらえるようなことをしていきたいと考えています。

絵本を通して
森を守る大切さを伝えたい。

未来を担う子ども達に向けて、絵本の読み聞かせにも取り組んでいます。

弊社がプロデュースしている高知のご当地キャラクター「やいろちゃん」の絵本を、女性社員が月2回、幼稚園に読み聞かせに行っています。

手遊びして子どもを惹きつけて、「やいろちゃんのもり」という絵本の読み聞かせをした後、やいろちゃんが登場して、子どもたちと触れ合ってもらう流れです。

高知の森が舞台で、環境、防災、共存をテーマにした絵本です。
高知県は自然が豊かな場所で、自分たちはそんな豊かな場所に住ませてもらっていて、その自然を守っていかないと色んな問題が起きるよ。ということを絵本の読み聞かせを通して伝えています。

文字で説明するより、絵本なら自分で考えながら読んでくれるんじゃないかなと感じています。これは継続して今後も取り組んでいきます。

若い力で会社を
伸ばしていくために。

ミタニ建設工業 社長|三谷 剛平

私は55歳で社長を退き、社長を任せられる人財の育成に取り組んでいきたいと考えています。
これまで積み重ねてきた仕事上のノウハウもあるのですが、人とのつながりという財産を活かしてもらいたい。

社長は退くけれど、60歳までは繫いでいかないといけないと思っています。そのために、社内で対外的にも三谷家だけはなく、自分で売り込んでいける人を育てていきたい。

今後は社長ではなく、社員を前に出していきたいです。
将来的に会社を作っていくのは、若い力です。


編集後記

取材を通して剛平さんは、「学生だったらどう感じるか?」「社員は何を考えているか?」「社員の家族はどう思うか?」と常に相手目線に立って考えている方だなと感じました。

剛平さんに、「求める人財で重視している点はどこか?」と尋ねてみました。その応えに剛平さんの姿勢や生き方が見えるなと思いましたので、ご紹介させていただきます。

求める人財で重視しているところがあって、はじめて顔を合わせたときの愛嬌であったり、ノリの良いことも大事にしています。

馬鹿騒ぎするノリではなくて、「〇〇やろう!」と声をかけたときに、「僕はいいです…。」という人は弊社には向いていないと思っています。

去年入社したメンバーは全員、龍馬マラソンを走りました。「一緒に走ろうぜ!」と声をかけると、「やりましょう! 僕は走ったことないんでやってみたいです!」と、やったことのないことにもノってくる。そういう人がやっぱり良いですね。成績よりもノリを重視しています。

採用担当者には、「どんな能力があるのか?」よりも、「10、20年先でも一緒に仕事がしたいと思えるような人を採用してほしい」と伝えています。

何をやるかよりも、誰をミタニ建設工業という船に乗せるのか。「一緒に旅しよう!」となったとき、オモシロクない人を乗せていても、旅がオモシロクならない。「一緒に旅をしたくなる人を選んでこい」と伝えています。

会社に入って、数十年働いてくれるメンバーなので、前向きなノリの良い人じゃないとダメですね(笑)

 

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