Instagram 30,000 Followers!

刃物業界の常識を覆したい。田所刃物 / 研ぎ師 田所 真琴

研ぎ師【田所刃物】 田所 真琴

 

研ぎ師【田所刃物】 田所 真琴刃物業界の常識を覆したい。

入門当初は何より、単価を見たときにあまりにも差がありすぎて、ほんとヘコんだんですよ。
極端な話こっちが500円だったら、むこうは3000円。これはあんまりやなと。

独立して堺など業界の方々に聞いてはじめて、日本の和包丁の9割が堺。その9割のうち7割は高知産という現実を知りました。なので、高知は思いっきり隠れてる。堺に隠されているんです。それで低価格帯でやっているのは、非常に不甲斐ない。嫌なんです。

だから、できればひっくり返したい。「良いものができるよ。良い職人さんがおるよ。ちゃんとしたものを出せるよ。」という様に変えていかないかん。そういう気持ちが今も大きいですね。今も問屋さんに話をするときは、自分の口で「高知と堺をひっくり返しますよ。見よってください。」とみんなに言います。

問屋さんもだんだんその気になってきて、「イケるんじゃないか」と。
やっぱり、すぐにはうまくいかないですよね。「何言うてるんや!若い衆が!」と言われてきました。

研ぎ師【田所刃物】 田所 真琴次の世代へ繋げるため、担い手を増やしたい。

この業界の若手は、50歳が若手なんです。僕なんてのは赤ちゃんみたいなもんです。33歳くらいで独立しているので。「若手中の若手が何言うてるんや!」と言われていたのが、今は本当に7年目にして単価的にも堺の中でも高い方になったんじゃないかなと思います。それは師匠のおかげでもありますし、女房や妹のおかげでもあります。

価格を上げるには、やっぱり説明をしていかないかんです。値段を上げるなら責任も増え、技術レベルも上げていていかないかん。
モノを研いで形を出していかんと、なかなか問屋さんにも通じんのやなと実感しました。逆にそれさえやれば、期待もしてくれますし、お金も出してくれるんです。

そういう風に十分生活することもできますし、儲けることもできますので、そいう魅力をもっと前にだしていけば、後の子にもつながるんじゃないかなと。

実際に研ぎ師をしている方が少ないんです。一番多い堺でも毎年減ってきている。
それは親を見て、「こんな仕事をやりたくない」という子がいたり、「自分のやりたいことをやりたい」というのもあるのでしょうが。

一番分かりやすいのが、十分生活もできるし稼げますよ。というのを見せることかと。
高知はとにかく少ないので、沢山増やして競争できるようにしたい。そして、後に繋げていきたいというのが一番思っていることですね。

研ぎ師【田所刃物】 田所 真琴競争し合い、高めていきたい。

この業界では「残ったもん勝ちや」という職人さんもいます。ですが、それはすごくいかんことやなと思います。増えてはじめてお互い競争できる。確かに仕事も減るかもしれん。いろいろ考えないかんことも増えてくる。けれど僕は「増えたほうがやりがいがありますよ。」と話します。
「増えて競争したい」という想いがあります。

師匠は本当に上手で、絶対に追いつかないなとは思うんですけど、今でも師匠を追い抜くつもりでいます。
そういう気持ちがないと仕事ってなかなか上を目指せないので、師匠にも「いつでも抜きますよ」と言うてます。

ただ、師匠とばっかり競争するのは決して良いことじゃないので、新しい子たちとも競争していきたいですね。だから増えてほしい。「自分にも刺激がほしい」というワガママです(笑)

今後は職人の学校を始めようかと検討しています。次の世代の子たちにも「職人は、ただ作り続けていけばいいわけじゃない」ということも伝えていきたい。経営のことにしても礼儀やいろんなことを克服していかないかん。ただ作るだけなら上の人が悪ければ虐げられて、しんどいだけなので。

魅力がある仕事にしていくのは本人達の仕事。
自分たちが学校として教えるときにはそういったことも教えていきたい。弟子入りしてくれた人には、独立してどんどん稼いでもらいたい。そして高め合っていきたい。それが夢です。


研ぎ師【田所刃物】 田所 真琴インタビュー後記

真面目で職人気質な田所さん。「口下手で話が苦手」とおっしゃっていたのですが、刃物のことになると饒舌になります(笑)
田所刃物では真琴さんを主軸に、奥様が営業、妹さんは粗研ぎ(仕上げ前の粗い研ぎ)をされています。お話を伺う中で、真琴さんの少し説明の足りない箇所や伝わりにくい箇所を奥様がすかさず補足説明してくださって、刃物に無知な私もすんなり理解できました。

何より、日本屈指の職人が高知にいるということに驚きました。私自身も勘違いしていたのですが鍛冶屋さんはほとんどが分業制となっており、その中で真琴さんは研ぎ師として活躍されています。知らなければ、その職業を目指せません。

今回EIMONSで紹介させていただくことで、少しでも「研ぎ師」としての職業を多くの方に認知してもらうための手助けになれば嬉しく思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。