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「アトリエ四万十 / 三浦 郁生」フランスの食文化を、地元の食材で紡いでいきたい

フランスの食文化を携え、
地元に里帰り

コックの仕事は、どうしても裏方の仕事なんです。お客さんの前に出ることはまず無い。
対面で、お客さんの反応が分かるようなお店がすごく好きだったんです。
 
僕も10年近くフランスにいたので、ずっといるわけにもいかないし、帰省して何かしらの商売をしたいという想いがありました。
 
今の「アトリエ四万十」の場所は、親戚の叔母が住んでいましたが、生前「ここを使いなさいよ」と言われていたので。それもあって2011年3月に帰省しました。
 
 
 
 

地元の食材を使った
カヌレ専門店

何をしようと思った時に、自分にネームバリューもなく、客を呼べる力もない。
「じゃあ、どうしようか」と思った時に、焼き菓子や惣菜を考えました。
 
焼き菓子はその日に売り切らなくても大丈夫ですし、惣菜でもテリーヌやパテは保存食なので、一日で売り切る必要はない。というのもあって、カヌレ専門店「アトリエ四万十」を始めました。
 
カヌレを作るにあたって、フランスでは、ラム酒とバニラを使うのが王道ですが、地元の素材を使いたいと考え出しました。
代替え案として、地元の「仁井田米」と「栗焼酎ダバダ火振り」を採用しました。
 
米粉を使うので、普通のカヌレより中の「モチっとした食感」がより強いです。
通常はミツロウも使うのですが、「アトリエ四万十」では使っておらず、表面がちょっと違ったカリッと感が出ます。
 
あと、ミツロウは油と一緒なので、たくさん食べると胃もたれするんです。
「アトリエ四万十」のカヌレは、たくさん食べても胃もたれしないことが特徴です。
 
 
 

誰もやらなくなった
当たり前の料理を

これからは飲食店もやりたいと考えています。高級レストランではなくて、フランスの当たり前の食事。フランス料理のコックさんは、ビジネスとしてやっているレストランが多いので、最先端の料理や技法を追い求めている料理ばかりなんです。
 
そうではなくて、料理辞典に載っているような当たり前の料理。当たり前すぎて世に出てこなくなった料理を提供していきたい。
 
例えば、生姜と豚と米は四万十町にあるので生姜焼き定食屋さんとか。
基本地元の食材以外を使うことは考えないです。
 
もちろん、他国や県外の素材を使うのは良いのですが、良さが出ません。
地元の食材を使って、食文化を紡いでいきたいです。
 
 
 

インタビュー後記

10年ほど、フランスで暮らす中で、フランスで全ての星付きレストランで働かれた経験から、やはりお客さんと対面で反応を見れる小さなお店がよかったと言います。
星付きレストランでの、面白い経験談をお話しいただいたので、ご紹介します。
  
星付きレストランは、人数が多いので、コックさんだけでも30人くらい働いています。
小さいお店の方が、料理作り以外の仕事もやらないといけないので学ぶことが多いです。
 
3星レストランに行くと朝から晩まで、サラダをちぎって終わり。なんてこともありますからね(笑)
一番嫌だったのは、真冬のアルザスですね。雪降る中、外でガウンを羽織ってサラダちぎり(笑)
 
今となっては笑い話ですが、経験してみないと実感を得られませんし、学ぶことも多いのではないでしょうか。 
 
「アトリエ四万十」では、納屋だった場所を改装しイートインできる空間もあります。
また県外からのお客さんが多く、意外と「カヌレ自体を初めて食べた」という声を多くいただくそうです。
 
まだカヌレを食べたことのない方は、是非一度来店してみてはいかがでしょうか。
柔らかい物腰の三浦さんが、暖かく迎えてくれます。

 

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