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Musician / 音楽家

言葉を尽くして三味線の価値を伝えたい【三味線奏者 / 田村 花枝】

三味線奏者 田村花織三味線を通して伝えたいこと

20代の中盤までは「三味線の何に価値があるんだろう?」とずっと思っていました。
三味線を教えたり演奏して喜んでくれる人はいます。それでも「誰かに言われたからやっている」という気持ちでいました。20代のほとんどは自分と三味線との葛藤で、常に受け身な状態で三味線と対峙していたように思います。

ですが、世界青年の船やアメリカに行こうと決めたときは「受け身じゃなくて、自分から三味線の価値を見つけて踏み込んでいこう!お客さんに理解してもらうにはどうしたらいいだろう?」と考えるようになりました。お客さんに三味線の価値を分かってもらった上で弾いたときは、達成感がありました。

演奏を見て聞くだけではなくて「見て聞いて、分かってもらう」こと。このことが大事だなと思いました。
自分が三味線のことをちょっと理解したら「今日ちょっと自分賢くなったな」と思ってお土産ができる。私は見に来てくれた人にお土産を持って帰ってもらいたい

「今から演奏します。はい、演奏して終わり!」というのでは、お客さんはポカーンとしてしまいます。三味線の何がスゴイのか、どこが聴きどころなのか、きちんと伝えないとお客さんは全然分からないかもしれません。

だからこそ、説明できるようになろうと思いました。「三味線の成り立ちは?」「三味線のユニークなところは?」「演奏している民謡の背景は?」と色んな目線で考えました。自分の心を小学生くらいに引き戻して、「これはなぜ?これはどうして?」というのを自分に疑問を作り、分からないところは調べて分かりやすい言葉で言語化していくようにしました。

三味線が日常の音として聞かなくなってから、何十年も経っているのです。
「聞けばわかるでしょ!」という感覚は捨てて、まっさらの状態の人には、とにかく言葉を尽くさないといけない。言葉を尽くして伝えていく中で価値を感じてもらう。…ということを大事にしています。

田村花枝海外への可能性を示していきたい

今年はドイツのハンブルクで演奏する機会を頂き、在ハンブルク日本総領事館のご依頼で演奏もさせていただきました。
来年はフランス・パリの「JAPAN EXPO」への出演も考えています。

ハンブルクの日本庭園(Planten Un Blomen)にて演奏。

ゆくゆくは海外へ演奏しに行けるルートをたくさん作りたい
それは自分のためも勿論ありますが、これから始める若い方へ、三味線という武器を片手に海外に出て行けるようにしたい。
 
「三味線ができたから、海外へ行くチャンスがつかめた」というきっかけの一つとして。
語学も出来ればもちろん鬼に金棒ですが、語学だけが海外へ出るための最重要必須事項ではないということを伝えたい。

自分の武器が何か一つあったら、海外に出て行ける可能性も十分にあるということを示していきたいです。
 
◆個人サイトはこちら

ドイツ・ハンブルクの街中で。

インタビュー後記

花枝さんの思い出深い場所ということで桂浜で取材撮影させてもらいました。初めてお会いしましたが、とても活発でハツラツとした笑顔が印象的。自分の信念を曲げない強い意志も感じました。

取材中、「演奏技術で、自分の努力を軽く乗り越えていく人はいる。けれど、追い抜いて行く演奏家には演奏家技術を一心に追い求めるルートを走らせればいい」という話がありました。
花織さんは、そのルートとは別に「絵を描ける、文章が書ける、人前で話すのも嫌じゃない」という特技に気づき、三味線を演奏じゃない形(コラム・ブログ・イラスト)で発信されています。

また今は、三味線というものに色んなタグをつけていているそう。例えば、コラム・イラスト・ディズニー・海外・文化交流。
三味線、演奏。だけだと琴線に触れる人は少ない。ところが、三味線という大きなタグに「国際交流」というタグに興味を持ってくれている人が三味線を知ってもらうきっかけになるかもしれない訳です。そのために、色んなところにボールを投げれるよう様々な経験を積まれています。

「色んなことができる」「何かをやるのに躊躇しない」というのも才能の一つと捉え、挑戦している彼女の姿勢に刺激を受けました。

 

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