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【kino shoe works / 木下 藤也】大量生産では出せない、手づくり靴のこだわり

高知県宿毛市に工房を持ち、夫婦2人で革靴の製作と修理をしている「kino shoe works」の木下さん。生まれが宿毛市で県外から帰省して、地元でシューズブランドを立ち上げています。

高知県内はもちろん県外へも発信されています。これまでの
経緯やモノづくりにかける想いについて伺いました。

【kino shoe works】木下藤也
小さい頃から慣れ親しんだ靴。

親が靴製造に携わる仕事をしていて、小さい頃からよく工場の中で遊んだり、何かしら作ったりしていました。

靴というものが身近な存在ではありましたが、靴製造業の大変な面も見てきているので、
将来この仕事をやって行こうという思い
は全くありませんでした。

 

【kino shoe works】木下藤也
モノづくりに方向転換することに。 

高校、大学と工業系の学校に通い、機械設計などの方向へ進もうと勉強していましたが、
大学4年目でいざ就職活動を始めてみて
「これは違うのかな?」とふと感じて。

結局、作ることが好きで「モノづくりをしたい」という想いが湧いてきました。
子供の頃から身近にあった靴、そっちの方にトライしてみたいと思い、浅草にある靴の学校で2年間靴作りを学びました。
そこで、革の良さに触れてモノづくりの
楽しさから自分の好みが明確になっていった感じです。

 
 

【kino shoe works】木下藤也
革の魅力に触れ、靴作りに夢中に。 

学校ではじめて作った一足を今でも大切に持っています。その後、東京の靴メーカーに10年勤めました。
ゆくゆくは自分が好きで、納得のいく靴を作れる靴屋を
やってみたいと考えていました。やるなら地元に帰ってやりたいなと。

それで、四年前思い切って家族とともに帰ってきたという感じですね。親には、すごく反対されましたけどね(笑)
何でわざわざ大変なことに突っ込むんだと。

革の使い込んだ味のある雰囲気が好きで、今作っている靴もシンプルなデザインで革の良さを十二分に味わえるような靴になっています。
木や家具にしても経年変化した雰囲気が好きですね。

 
 

【kino shoe works】木下藤也
帰省後「kino shoe works」を立ち上げる。

1年かけてサンプル作りや場所を準備して、帰ってきて1年後の2013年に「kino shoe works」をスタートさせました。
立ち上げ当初は大変でしたね。セミオーダーやフルオーダーで靴を作っていますが、自分で注文とってやるというのは初めてなので、お客さんとの意思疎通が難しくて。

作ったけれど合わないこともありました。失敗を繰り返して、徐々に改良を重ねていきました。
人の感覚や歩き方は、計測だけでは分からないところに靴づくりの難しさや魅力を感じます。

最初に始めようと思った時に、女性用のワークシューズを作りたいなと思っていたんです。
男性用より女性用の靴のシルエットが好きなんです。綺麗なシルエットで、
しっかりしたものが作りたいと思ったのが最初です。

どんなシーンでもガツガツ履いてもらいたいなと思って。僕も妻も「どんな場面にでも丈夫で長く履ける靴があったらいいね。修理もできたらいいね。」と。

 

【kino shoe works】木下藤也
ガシガシ履き込んでもらいたい。

やりがいや達成感を感じるのは、お客様が2足目を注文してくれた時や、喜んで履いてくださるお客様の声をいただくと本当にうれしいですね。いつもはクラフトフェアの出展や工房で受注しています。
そこで知り合ったお店で
受注会をやるということもあります。

2015年は百貨店さんの方でも物産展や催事に呼んでいただき出展したりもしました。
これからは自分たちの靴の雰囲気が合うお店で受注会をできればいいなと思っています。

ただ、作っているのは僕と妻の2人なので、作る量に限りがあります。
なかなかそのバランスが難しいですね。

 作る上で心がけているのは、絶対妥協しちゃいけないなと。値段も安いものではないので、少しでも納得いかないと一から作り直しています。
バランスを見ながらラインが綺麗に出るよう型紙も一人一人調整して作っています。

こだわっている箇所は、大量生産では出せない手づくり靴の雰囲気。
ステッチの
手縫いの部分だったり、機械では出せない雰囲気。不均一というか温かみのある表情が好きですね。
革はより味の出る革を使用しています。タンニン鞣しなど、
変化していく革の方が面白く、革らしくて好きですね。
革本来の傷や色むらも
履く上で支障がなければ、革の良さとしてなるべく使うようにしています。

ぜひ愛着を持って長く履いてもらい素敵な靴に育てていってもらいたいです。

 
 


【kino shoe works】木下藤也
インタビュー後記 

おおらかでゆったりした雰囲気の木下さん。温かみのある優しい人柄です。
木下さんの好きな言葉は、粒粒辛苦(穀物の一粒一粒は、農民の苦労と努力の結果実ったものであること。転じて、細かな努力を積み重ねて、たいへんな苦労をすること。)

一つ一つの積み重ねから、良いものを作り出したいという靴作りに対する熱い想いを感じました。細部までこだわり抜いた靴作りをされています。

写真は、原点となった最初に作った靴。何も考えていない時に作った靴が良くて、新たに型紙から作っているそうです。
 
 

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