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Common(コモン)岡部創太|素材がもつ特性や美しさを活かす。

【Common】岡部 創太

高知市で無垢材を主体とした家具を製作している工房「Common」の岡部さんにお話を伺いました。素材がもつ特性やその美しさに対して、素直に作ること。丈夫で使い易く、簡素で心地よい形であること。そして、時間や様式にとらわれることのない、普遍的な形にこだわったモノづくりをされています。

素材に対して素直に作る。
作為を感じさせないプロダクトを。

【Common】岡部 創太

ルームディスプレイから始まったインテリア好き

小学校の頃に自分の部屋を与えられ、とても嬉しかったのを覚えています。自分の好みで部屋をレイアウトすることは、まるで自分の基地を作っているような感覚でした。

高校の頃になるとインテリアの雑誌が気になり、見よう見まねで部屋を作っていました。ホットウィールのミニカーや、好きなブランドのタグを壁にぶら下げてみたり、レコードを並べたり…。

部屋をオシャレにカッコ良くしたいという想いからやっていましたが、友達がきて「オシャレな部屋」と言ってもらえるのが嬉しかった。そんな経験がインテリア好きのベースだと思います。

自分の部屋を作ることに関心はありましたが、創作活動をしようと思ったのは、それからはずっと後の話。

「ものづくり」を仕事へ。方向性を固めた学生時代

【Common】岡部 創太

創作活動をはじめたのは、家具のデザインから製作・プレゼンまで行う専門学校に入学してからのこと。外部講師の方々の第一線で活躍されている姿を見ていて、こういう仕事をしたいと次第に思うようになりました。

入学後に意識し始めたことは、モノづくりを目指し集まってきた同学年の生徒達です。みな才能に溢れている。「その中で、自分は何ができるのか?」「得意なものはなんなのか?」「個性は?」いろいろと考えさせられる時期でした・・・。

在学中に様々な製作を行う過程で「作る仕事をしたい」と考えるように。自分の中の家具作りのイメージが出来上がってきたのもこの頃から。

転換期となった講師との出逢い。

【Common】岡部 創太

外部講師の中でとても尊敬している先生がいました。その人柄や考え方、作る家具が純粋に好きでした。その家具には、人の暮らし、家具の背景まで想像させるような雰囲気があり、大きな影響を受けました。

卒業後は先生のところで働きたいと思っていましたが、雇うことを断られていました。ですが、卒業間近になった頃「うちで働いてみないか?」とお誘いをもらい、とても驚き嬉しかったことを覚えています。そして、一緒に学んでいた3年制学科の先輩と一緒に5年の約束で弟子入りすることに。

要領を掴めず、苦難の修行時代。

【Common】岡部 創太

弟子入りしてからというもの、同期で勤務をはじめた先輩はどんどん新しい技術を習得していく中、自分は要領を掴むことが遅く、四苦八苦しました。仕事というのは時間がかかってもできたら良し、という訳じゃない。決められた時間の中で、良い品質で仕上げるということ。現実を目の当たりにしました。

ですが、必死で続けていれば何とかいくもので、徐々にその壁を乗り越えていきました。毎日木に触れ、製作の経験を積むことで、少しずつ上達していきました。当時は自分がレベルアップしていく感覚を得る間もありませんでしたから、振り返るとできなかったことができるようになっていました。デザインから製作までしている工房は全国的に見ても稀だったので、その中で5年間修行してきたことは大きな自信につながりました。

「休みの日には好きに工房を使ってもいいよ」と言われていたので、自分が使うものから、友達や知り合いの方に頼まれたものを作ったりしていました。「自分が作って、直接お客さんへ届ける」ということは「喜んでもらえることを喜べる」ということ。これほど作り手として幸せなことはないと思いました。

学ぶ過程で見えてきた方向性。

【Common】岡部 創太

修行をし始めた頃は、自分がこの仕事で独立しようとは考えていませんでした。修行に入る時から5年間という期限はあったのですが、いつかは独立するのかな、、とぼんやりと先を考えるだけで、具体的には何も決めていませんでした。しかし4年位経つ頃に、やはりフツフツと「独立したい」という想いが膨らんでいたので、区切りだと思っていた5年で辞めることに。

「自分でやっていきたいという勢いがあり、その想いが抑えられなかった。」といっても想いばかりが先行しての退職。独立してからの計画は皆無。ふるさと高知に帰ってきたものの何のツテもなく、加工する機械さえもない。どこで買ったら良いのかも分からない状態でした。

そのため、帰省当初は就職するつもりでいました。面接も受けましたが、自分の想いが叶うような会社が見つからなかった。その内の一件に「雇う気はないけど、話を聞くだけなら来るといいよ」との返答をもらい訪問した会社がありました。

そこで「高知の業界の様子を見て悶々とするくらいなら、すぐにはじめた方がいいよ。」と背中を押してもらえました。「必要な機械を売っているところもおしえてあげるよ」とその場でアポを取り、紹介していただきました。その機械屋のオバちゃんには「本当に独立してやっていける?」と心配されましたが、やっていきたいという想いを伝えると、「よし、私がなんとかしちゃお」と機械や工房の手配などをしてくれました。

気がついたら、トントンと話が進み、独立する準備が整っていました。

無計画な独立、そして周りの支え。

【Common】岡部 創太

2008年「Common」を設立。

最初は友人、知人に注文してもらい、なんとかやりくりしていました。そこからが始まりで「オーダーしたい」と思ってくれた個人のお客様やアパレルショップなど、本当に沢山の方々に応援していただいたお陰で、注文も安定して増えてきました。

経験を積んでいく過程で、お客様の求めていることを汲み取れるようになってきました。「多分この方は、本当はこういうものを求めているんじゃないか?」というように、相手の思っているイメージを汲み取り、求めている以上のモノを提案できるようになってきました。
オーダー主様から「期待以上だった!」と言ってもらえるようになってきたことが何よりの喜びです。

素材がもつ特性や美しさを活かす。

【Common】岡部 創太

作る上で大切にしているのは、素材がもつ特性やその美しさに対して、素直に作ること。丈夫で使い易く、簡素で心地よい形であること。そして、時間や様式にとらわれることのない、普遍的な物作りをしていきたいと考えています。

素材に素直に作るというのは、木の特性や魅力を理解し活かすことです。

木材は力がかかると弱い部分や、丸太の中でも硬い部分と柔らかい部分があります。湿気を吸収して曲がったり、痩せたりする特性もあります。その特性を良さとして活かすのです。なるべくしっかり見分け、力のかかる部位には丈夫な部位を使ってあげるよう心がけています。

Commonスタイルを提案。

【Common】岡部 創太

今もこれからも、「自分が良いと思うものを純粋に求めてそれを形にしていきたい」。最近、異素材を扱う人(クリエイター)と話をして新しいモノを作る機会も増えています。家具単体だけでなく、インテリアという大きなくくりでのアプローチをしていきたいと考えています。

これからもCommonの色を濃くしていき、Commonの良いと思うものを作り上げ、提案していきます。


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